子羊の授乳お手伝いをしに

近隣の牧場に行きましたら

羊の毛刈り職人さんたちが

そこに来ておりました。

 

すごいんですよ、

専用のトラックというか

荷台のような形で

『毛刈り場』を設置、

毛刈り場は

舞台のように一段高く

背後に通路と

小さな戸口があって

ペダルを踏むと

戸口から羊が出てくる。

 

この戸口も舞台から

少しだけ高い作りで

職人さんは羊の脚を抑え

転がすような形で羊を

仰向けに舞台の上で押さえつけ

お腹の部分からカットを開始、

縦に刈り込みを入れた後に

そこから背後に向かって

全体を刈っていく感じで、

最後にお尻部分の毛を

バリっと刈ると全体が

一枚につながって剥がれる。

 

その一枚毛を丸めて

舞台下に放り投げる。

それを係の人が袋に詰める。

 

毛を刈られた羊は

そのまま舞台上手から退場。

 

 

 

舞台では3人の職人さんが

ずっと毛刈りを続けていて、

舞台裏を覗くとそこには

柵が張られた通路があり、

そこに常に

羊が誘導され並んでいく。

 

背後にはずっとポップ音楽が

かなりの音量で流れていて、

そしてそれに羊たちの

「なんやの!なんやの!」みたいな

鳴き声が重なってもう大騒ぎ。

 

毛刈り職人さんが

3人で2時間

バリカンを動かしまくって

約200頭の羊が

丸刈りになる計算。

 

 

 

支払いは1頭当たりの

出来高制だそうです。

 

さて私は子羊授乳作業の後は

牧場の台所でお茶をいただくのが

ならわしになっているのですが

この日の台所は

普段と様子が違いまして

「9時半にね、職人さんたちに

食事を出すことになっているのよ。

飲み物とベーコンサンド」

 

職人さんたちにとって

これは朝食ではなく軽食だそうで、

「この軽食っていうのは

雇った側が必ず

準備すべきものなんですか」

 

「最近はね、職人たちに

お茶も出さない牧場もあるの、

でもうちは昔ながらの

やり方でやっているから。

丸一日作業をお願いする時は

お昼も出すし、飲み物は

常に飲めるようにしておくわね」

 

出先の牧場で

食事が出るか出ないかは

職人さんにとって

大きな問題らしく、

ほら、牧場というのは

田舎にありますでしょう、

「あ、じゃあコンビニで

軽く何か買ってきます」が

不可能な立地であります故。

 

そこらへんは職人さんの

『元締め』が毎回しっかり

確認するのだそうです。

 

 

ちなみに職人さんたちは

この時期その『元締め』さんの

自宅に泊まり込んでいて

昼と夜の食事の準備は

元締め氏の奥様の担当だそうで

(昼食が出先で出ない時は

お弁当を作ったりもするらしい)

いやそれは家族総出の大仕事ですな!

 

この日私の目をひいたのは

お尻からトレーンのように

自身の刈られた毛を

引きずっている羊で

・・・どうやらお尻部分の

最後の『ばりっ』の前に

この子は舞台から

飛び降りちゃったみたいなんですよ、

なんというか新種の孔雀か

結婚式から逃げ出した

花嫁のようで可愛かったです。

 

 

 

 

 

 

トレーン羊は5分くらい

あっちをウロウロ

こっちをウロウロしていたのですが

最終的には係の人に捕まえられ

お尻にバリカンをいれられていました。

 

傍から見ている分には

非常に楽しかったのですが、

そんな呑気なことを言ったら

はったおされそうな現場でした。

 

 

毛刈り作業、一度は

やってみたい願望はあるんですが

あれは腰には

滅茶苦茶よくないらしいです

 

・・・憧れだけにしておきます

 

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