私がイギリスに来たころ、テレビ番組で「ファットジプシーウエディング」という番組がやっていた。
その番組を見たキッカケは、同僚からのある一言だった。
私はイギリスに来て2年目に突入する頃にカーライルに来た。
夫にとって何の所以も所縁もない全く見知らぬ土地に来て住み始めた。

私が職を得たデパートに、何とも下品で乱暴な言葉と所作、露出は激しくブランドに身を固め、買うもの全ては現金の女達がよく来ていた。
お金を使ってくれる有り難い客であるが、私は苦手だった。
当時の同僚、のちに今の私の親友にあの人らは何なのか?と聞いたら「ジプシー」だと言った。

ジプシーって実在するのか?!とビックリした。
そもそもジプシーは何ですの?から始まる。
同僚はカーライルの人だからジプシーに詳しいが、カーライル外部で生まれそだった人はジプシーの事を全く知らない。

ジプシーには移動型、定住型がある。
だから子供は学校に行く子といかない子がいて、定住型ジプシーで行ったとしても小6で終わる。
なぜなら男子は父親の家業を継ぐから修行に入り、女子は16歳で結婚するから家事を学ぶ。
女子は専業主婦になり、お金の管理は全て夫が管理。
例えば買いたい服があれば、夫が見に来て許可が出ないと買えない。
とまあ、こういう彼らの独自の文化が今も継承されていて、女子はジプシーの男性と16歳で結婚、男子も同様。
しかし、もし男子がジプシー家系でない女性と結婚したいと申し出た場合、その男子はジプシーから離脱せねばならない厳しい決まりがある。

イギリスに来たばかりの私はジプシーに興味を持った。
日本で出会った事がなかったし、何故彼らはそういう生き方を継承するのか知りたくなった。
その時、同僚から番組を教えてもらい「この番組見たら、ジプシーの生態が分かるはず」と言われたのだった。

彼らは現金商売をしており、税金は払わない。
仕事は様々あり、馬の飼育と販売、植木手入れ、芝刈り、窓拭き、引っ越しサービス業、激安化粧品店の経営…とまあ、様々ある。
全て現金で稼ぎ、稼いだお金はまんま使えるから、常に高級外車を数台持っていたりする。

デパートに年1で警察官が来て万引き犯についての勉強会なるものがあった。
万引きする主なグループはアイルランドから来るジプシーで、このジプシーらの働き方とイングランド中部から北部にいるジプシーらの働き方は全く別物らしい。
警察はジプシーを詳しく説明してはくれたが、結局は万引きされないよう店側が気を抜くなという説明である。

彼らはお金を持っているから、そこそこの住宅地に新築の家を現金で建てたりする。
うちの近所にもあるが、ラスベガスのホテル「ベラージオ」を思い出させる見た目の家だから、すぐに分かる。

今日も家の前を何度馬が行き来しただろうか…
道は糞まみれである。
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