あれは去年の
夏のことでした・・・
夫(英国人)の父、
すなわちわが義父
(白色シュレック)が
膝の手術を
受けることになりました。
息子としてわが夫は
手術当日から数日間の予定で
一人で実家に帰省しました。
手術自体は無事に終わり
義父は翌日に退院。
退院前のお医者様との
面談には夫も同席し
「痛み止めはこちら、
リハビリの予定表はこちら、
くれぐれも無理はなさらず
しかしまったく
動かないのも駄目です」
「先生、車の運転は
いつからしていいですか」
「少なくとも今日から
1週間は我慢してください」
そこで夫が会話に混ざり
「父さん大丈夫だよ、
どこかに出かけたいなら
僕が運転するよ、そのために
僕は帰って来たんだから」
言葉通りわが夫の運転で
義父は自宅に帰還。
で、即座に
「車の鍵はどこだ、
ちょっと牛の様子を見てくる」
「それなら僕が運転するよ」
「お前は牧草地を車で
走るのに慣れていないだろう、
私が運転する、鍵はどこだ」
「お医者様が今日から
1週間は運転しちゃ
駄目だって言ったでしょ」
「私はそれに同意していない」
それでまあ悶着がございまして。
最終的にわが夫は
わが義父が牧場の柵を
開けようとした隙を突いて
車の運転席に飛び乗り
車をガレージに戻し施錠、
ガレージに南京錠をかけ
そこからずっと2つの鍵を
肌身離さず持つ作戦に
打って出ました。
義父が烈火のごとく憤っても
そんなことで動じるわが夫ではない。
お風呂に入る時でさえ
鍵を浴室に持ち込む徹底ぶり。
しかしこれで諦める
わが義父ではなかった。
滞在3日目、わが夫が
お風呂から上がって部屋に戻ると
なんと夫のお財布・携帯電話・
眼鏡が棚から消えていて・・・
「息子よ、物々交換だ、
お前が私の車とガレージの鍵を
私に返すなら、私も
お前の持ち物を返してやろう」
「父さん、僕は
そんな脅しには屈しないよ」
・・・それでまあそこから
当然のごとく色々あって
わが夫はお財布・携帯なしで
スコットランドに帰って来てですね。
わが夫のコメント:
「予備の眼鏡を車の中に
置いておいてよかったです」
わが義父のコメント:
「本当は財布の中のカード各種を
無効化しようかとも思ったが、
それはお前の妻(私のこと)が
迷惑をこうむるかと思って
止めておいてやった」
まあお義父様ったらご寛大。
この話を聞いて私は
義父の精神力が衰えていないことに
大笑いをしたのですが
・・・まあ夫にしてみたら
笑えないことでもあったろうな、と・・・
でもほら、私がそこで
笑ってあげないと
洒落にならないじゃない・・・?
まあその後わが義父は無事に回復、
車で事故を起こすこともなく
夫の私物も五月雨式に
スコットランドの
我が家に戻ってきました。
術後の身体でも意気軒高。
これぞわが義父なのであります。
「その意地の張り方は
認知症初期」とか
言いたくなったそこのアナタ、
わが義父は過去20年間
こんな調子なのでございます
世の中には我々の常識では
計り知れない強烈な人格の
人間が存在するものなのです
でもまあ私はこれ、
義理の関係だから言える
セリフかもしれませんけど
ただ夫と夫の血縁も皆
結局は義父のことが好きだしなあ
ある意味得な性格ですよね
・・・それで納得して
問題ないんでしょうか
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