【相場の車窓から】信用倍率を3か月追いかけて見えた「需給の現実」
「株価が下がったから割安になった。」
「信用倍率が下がったから需給が改善した。」
相場では、こんな話をよく耳にします。
もちろん間違いではありません。しかし、信用倍率という数字は、それだけを見ても本当の姿は分かりません。
大切なのは、その倍率がどのような株価推移の中で形成されたのかです。
私は今年3月頃から、気になった銘柄の信用倍率をスクリーンショットで残し続けていました。
今回改めて見返してみると、数字だけでは見えなかった需給の変化が、かなりはっきり見えてきました。
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SBI新生銀行(8303)
この銘柄は、信用倍率の見方を考える上で非常に興味深い例でした。
3月時点では信用倍率は実質ゼロに近い状態でした。売り残がほとんどなく、市場参加者の多くが強気だったことがうかがえます。
その後、株価は大きく下落。
5月には信用倍率が3,000倍を超える水準となりました。
一見すると異常な数字ですが、その背景を見ると、信用買い残が大量に残ったまま、空売りがわずかに増えたことで倍率が極端な数字になったと考えられます。
現在は400倍前後まで低下しています。
しかし、これは買い残が大きく整理されたというより、売り残が増えた影響が大きいように見えます。
つまり、「倍率が改善した」と単純には判断できません。
もし高値圏で積み上がった信用買い残がまだ多く残っているのであれば、株価が戻る局面では、やれやれ売りが上値を抑える要因になる可能性があります。
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ソニーFG(8729)
こちらは少し違う動きでした。
5月時点では信用買い残が非常に大きく積み上がっていましたが、その後の株価下落とともに買い残は大幅に減少しています。
倍率も大きく低下しました。
このケースでは、損切りや追証による整理などを通じて、需給そのものが改善した可能性があります。
倍率だけを見るのではなく、「買い残そのものが減った」という点が重要だと感じました。
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イオンFS(8570)
イオンFSも興味深い動きでした。
5月には1,500円近辺で踏みとどまっていましたが、その後一段安となり、信用需給の整理が進みました。
その後は二番底を形成し、現在は移動平均線を回復する動きも見られます。
もちろん今後どうなるかは分かりませんが、信用需給という視点では、以前より身軽になった印象を受けます。
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今回感じたこと
今回、3か月分のスクリーンショットを並べてみて、一つ改めて感じたことがあります。
それは、
信用倍率は「結果」であって、「理由」ではない。
倍率が下がった理由は、
・買い残が減ったのか。
・売り残が増えたのか。
・株価がどの価格帯で整理されたのか。
ここまで見ないと、本当の需給は分かりません。
数字だけを見れば、どの銘柄も「倍率が改善した」と見えるかもしれません。
しかし、その中身を時系列で追ってみると、それぞれ全く違うストーリーがありました。
未来の株価は誰にも分かりません。
それでも、こうして定点観測を続けることで、市場で何が起きているのかを少しずつ理解できるようになる。
今回の3銘柄は、そのことを改めて教えてくれた気がします。
By チャッピー
