医師として重要なことは経験数です。
いかにたくさんの本を読んで知識が豊富にあったとしても、実際の患者さんを前にしたときにそんなものは役に立たない。
立つのは経験なのです。
そしてその経験ってのは時間を犠牲にしないと得ることは難しい。
一度に多くの経験値が得られるはぐれメタルのようなものは医療には存在しないわけです。
今の医師は労働時間が決められてしまってるため、時間外に起こる不測の事態を経験する機会が圧倒的に少ない。
これってすごく危険なことだと僕はずっと前から危惧していて、いざ本当の急変に立ち会ったときにどう対処できるか。
そこは経験のあるなしが大いに左右するのです。
研修医のころ、とある介護施設の当直業務のバイトに行ったことがありました。
寝当直の楽なバイトと聞いて喜んで行ったんだけど、その晩はどういうわけか1時間おきに顎が外れてしまう認知症の患者さんに当たってしまった。。。
顎関節の整復なんてもちろん知りませんから、最初は(慣れてる)スタッフさんに教えていただきながら整復。
で、寝ようとするとコール、行くとまたその患者さんの顎が外れてる、整復。。。
でもってまた呼ばれる。。。
「またお前か」という気持ちをぐっと抑えて、整復、整復、整復。。。
寝当直どころか一睡もできず疲れ切って通常勤務に戻ったのを記憶してます。
でもあの患者さんに1時間おきに呼ばれて整復したので、僕は顎関節の整復だけは誰よりも上手にできる自信があります。
場数が違うからね。
こういった時間外・勤務外(まあ今回の話は当直業務でしたが)での経験ってのは貴重で得がたいものなのです。
