「らしいです」と書いたのは、当院ではRSウィルスの患者さんが何人来ているのか分からないからです。
ニュースで見て知って「へえ~そうなんだ」と思っただけのことです。
というのも、RSウィルスの検査は外来では保険が使えないため、当院のような開業医では普通はしない検査なのです。(結構高価な検査です)
入院する患者さんにしか保険が通らないため、例えば重症な気管支炎で入院を前提に紹介する場合などには検査するケースもありますが、ごくまれです。
RSウィルスの検査をしない理由は他にもあります。
それは、検査をしたところで治療法がないからです。
治療法がない感染症の有無を知るために、鼻の奥に綿棒を突っ込んで痛い思いをしてまで検査する必要性を感じません。
RSウィルスは冬に流行る代表的な子供の風邪の原因の一つです。
(何か特別恐い感染症のように思われていますが、風邪です)
治療法はなくワクチンなどもありません。
(未熟児ちゃんや心臓・肺に持病があるお子さんは重症化しやすいので、そういったお子さんに使う予防薬はありますが、非常に高価です)
感染するのは9割以上が2歳未満であって、気管支炎や肺炎など重症化するのはほとんどが1歳未満の乳児です。
それも、早めに治療(対症療法ですが)をしておけば悪くなることはそうめったに無いでしょう。
逆にいえば1歳以上のお子さんではただの風邪、あるいはちょっと咳が強く出る風邪程度で済んでしまう感染症です。
なのであまり騒ぐ必要のないウィルスなんです。
例によってマスコミが大騒ぎするもんだから、ママ達が不安がってますが、そこまで過敏に心配しないでください。
また、そんなわけで検査の必要性も低いのですが、やみくもに(年齢にかかわらず)RSウィルスの検査をしまくる先生がいたら気をつけましょう。
(先日、6歳のお子さんにRSの検査をした先生がいてびっくりしちゃいました)
そうはいっても今年の冬にRSウィルスが大流行するのは間違いないでしょう。
それに反して、この冬のインフルエンザの流行はそこまでにならないという予測もあります。
RSとインフルエンザの流行は反比例するという、我々小児科医の間での都市伝説があります。
もっともこれにはデータの裏付けや、実際にRSウィルスがインフルエンザウィルスの力を弱める効果があるといった報告などもあって、都市伝説とは言い難い側面もあります。
今年RSの大流行が確実なので、インフルが少ないのではという予測。
ですが、そこに来てこのインフルワクチン不足問題です。
ワクチンを接種出来ない人が非常に多くなることが予測され、そうなると逆にインフルも例外的に大流行するかもしれません。
RSもインフルも感染力が強いですが、毎年気をつけることはただ一つ。
帰ったら、うがい・手洗い!