片付けは、
「心地よい暮らし」を目指すことから
始まるのではありません。
探し物をしてしまう。
戻すのが面倒。
床に置いたモノが気になる。
「また片付いていない…。」
そんな毎日の小さな困りごとに気づくこと。
そして、
「どうしてそうなっているんだろう。」
と、その原因を一つずつ見つけていくこと。
原因が分かると、
頑張る方向が見えてきます。
「前より探さなくなった。」
「前よりラクになった。」
「これなら私にも続けられる。」
そんな変化を積み重ねた先に、
その人にとっての
心地よい暮らしができあがっていく。
私は、そう考えています。
暮らしの中の困りごとを
一緒に見つけ、一つずつ解決していく。
そんな片付けをお伝えしている、
整理収納コンサルタントの須藤昌子です。
「○○用」が増えると、なぜ家は片付かなくなるの?
「お客様用だから。」
「掃除の時に使うから。」
「たくさん洗濯するときに必要だから。」
そんなふうに、
「○○用」として
取ってあるものはありませんか?
私も以前はそうしていました![]()
どれも持っているのには理由がある。
だから手放せない。
でも、気づけば収納はいっぱいになり、
探し物が増え、
「もっとスッキリ暮らしたい」
と思いながらも変わらない…。
実は、そんな方は少なくありません。
今回ご紹介するのは、
62歳のみかさんのお話です。
みかさんは、モノは多いけれど
「捨てるものがない」と感じていました。
どれも使っているし、
持っていて困るものではない。
片付けのプロのセミナーや
グループレッスンにも参加され、
その場では片付いても、
暮らし全体は変わらないことに悩んでいました。
「家族みんなが
気持ちよく過ごせる空間にしたい。」
その思いは
ずっと変わらなかったそうです。
レッスンの中で、
「それはどんな理由で持っていますか?」
とお聞きすると、
「お客様や子どもの友達が来た時に困るから、
食器は減らせません。
ここ数年は、来ませんけどね」
「冷蔵庫を掃除するとき、
食品を全部出すために
発泡スチロールの箱が3個必要です。」
「洗濯が多い日は
角ハンガーが3個ないと困ります。」
どれも、「困らないため」の理由でした。
そこで私は質問しました。
「では、片付けは
何のためにしたいと思ったんでしょう?」
みかさんは、
「家族が気持ちよく
過ごせる空間にしたいからです。」
と答えてくださいました。
そこで、もう一つ質問しました。
「では、それらを持っていることで、
その空間はできそうですか?」
少し考えて、
「……無理でしょうね。」
と、みかさん。
でもすぐに、
「でも、ないと困るので、
やっぱり手放せないです。」
と続きました。
そこで、こんなお話をしました。
旅行へ行く時、
「何が起きても困らないように」と考えて
荷物を詰めたら、
全部バッグに入るでしょうか。
「入りませんよね。」
旅行中、
「あれがあればよかった」と思うことは
あるかもしれません。
でも、それがなかったから
旅行そのものが楽しくなかった、
という人はあまりいません。
ないなら、
ないなりに工夫して過ごしているんです。
実は、日常も同じです。
お客様用の食器を
たくさん持たなくても、
普段使っている食器を
使えばいいかもしれません。
感染症が気になる時代ですし、
紙コップを使うなんて方法もあります。
冷蔵庫の掃除も、
中身を全部出さなくても、
掃除をしたい時期だけ
買い物を控えて
食品が少なくなったタイミングで
少しずつ進めることができます。
角ハンガーも
1つで回せる洗濯量にしたり、
足りない日は
家にあるハンガーを使ったりする方法があります。
工夫する方法は、
意外とたくさんあるのです。
もちろん、その工夫はしたくない。
「○○用」を持っている安心感の方が大切。
そう思うなら、その選択も一つです。
ただ、その場合は、
スッキリした空間にしたいという気持ちは、
手放すことになります。
どちらが自分にとって快適なのでしょう。
私は、そのことを
一緒に考えていただきました。
すると、みかさんが
こんな言葉を話してくださいました。
「工夫するという概念が、
私にはなかったんですね。」
「使うから持つ。
持っているから、いつか使う機会が来る。
その考え方がモノを増やしていたんですね。」
この気づきがあってから、
みかさんは「○○用だから」
と残していたものを
少しずつ見直せるようになりました。
劇的に一日で変わったわけではありません。
でも、自分にとって
必要なものが分かるようになり、
持っているものを活かせる暮らしへと
変わっていきました。
片付けは、モノを減らすことではありません。
自分の不都合を、
どう解決したいのかを考えること。
そして、「持つ」以外にも
方法はあると知ることです。
もし今、「○○用だから」
と置いてあるものがあるなら、
一度こんなふうに問いかけてみてください。
「それを持つことで、
本当に快適になりますか?」
その答えが見えてくると、
暮らしは少しずつ変わり始めます。
モノを手放すことよりも、
自分の思い込みに気づくこと。
その小さな気づきが、
家族みんなが気持ちよく過ごせる空間への
第一歩になるのではないでしょうか。
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〚やらない片付けレッスン〛
「片付け=モノを減らすこと」ではなく
“自分にとって何が大切で
何がそうでもないかを知ること”
だと思っています。
片付けがうまくいかないのは
モノの量や収納テクニックだけの問題ではなく
「何のために片付けたいのか?」という
気持ちの部分があいまいなこと
そして
自分の無意識の考え方の癖
が原因であることが多いんです。
だから私は
おひとりおひとりの中にある
「片付けたい理由」や「本当の望み」
にそっと耳を傾けながら
その方に合った心地よい暮らし方を
一緒に探していくお手伝いをしています。
よく「片付けは習慣が大事」
と言われますが
私は考え方や暮らし方そのものを見直すことが
もっと大切だと感じています。
そんな片付けを阻むものを取り除き
その人の快適な環境づくりを一緒に
考えて実現していくレッスンをしています。
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