片付けは、「心地よい暮らし」を

 

探すことから始まるのではありません。

 

探し物をしてしまう。


戻すのが面倒。


床に置いたモノが気になる。


「また片付いていない…。」

 

とため息をつく。

 

 

そんな毎日の小さな困りごとや、

 

不便さに気づくこと。

 

 

そして、その原因を

 

一つずつ解決していくこと。

 

 

その積み重ねの先に、

 

「前より探さなくなった。」


「前よりラクになった。」


「これが私にとって心地いいんだ。」

 

そんな暮らしが、

 

少しずつできあがっていくのだと

 

私は考えています。

 

 

そんな暮らしを作り上げていくことを

 

一緒にやっていきたいと思っている

 

整理収納コンサルタントの

 

須藤昌子です。

 

 

 

今日は、同年代の方々が

 

抱える問題として

 

ちょっとヒントになれば

 

というお話ををさせていただきます。

 

 

 

 

親の老いは、暮らしの変化が教えてくれる

 

母は、今年1月で90歳になりました。

 

本人も、「今までとは違う」

 

と感じているようですが、

 

少しずつできることや

 

感覚が変わってきているようです。

 

 

 

ここしばらく忙しく、

 

ゆっくり母の部屋を訪ねることが

 

できていませんでしたが、

 

昨日は久しぶりにゆっくり話をしたり、

 

お部屋を見たり、

 

お掃除をしてきました。

 

 

 

そこで改めて感じたのは、

 

お部屋の中のモノが

 

少しずつ増えていることでした。

 

 

 

通販のカタログを見て、

 

「これ、いいな」と思うと注文をする。

 

届いた段ボールは、そのまま取っておく。

 

そんなことを繰り返しているようでした。

 

 

 

段ボールの中に入っていたのは洋服です。

 

 

母は、この高齢者マンションへ引っ越す時、

 

大好きだった洋服をかなり減らしました。

 

 

 

それでも、

 

収納に収まる量までは

 

減らすことができませんでした。

 

 

 

部屋が狭いこともあり、

 

安全面を考えて、

 

シーズンオフの洋服は

 

廊下の収納へ入れることにしました。

 

 

もちろん、

 

「もう少し数を減らせば、

 

お部屋の収納だけで十分収まるよ。」

 

そんな話もしました。

 

 

 

 

でも母は、

 

「減らすくらいなら、

 

季節ごとに出し入れするほうがいい。」

 

そう考え、

 

この数年間は

 

その方法で暮らしてきました。

 

 

 

ところが、年齢を重ねるにつれ、

 

その季節ごとの入れ替えが

 

負担になってきたようです。

 

 

 

今では、出した洋服をしまえず、

 

段ボールに入れたまま

 

部屋へ置くようになっていました。

 

 

 

 

そして昨日、

 

母がこんなことを言いました。

 

 

「夏服を出したら

 

洋服がシワシワだから、

 

ハンガーに掛けたまま

 

シワを伸ばせるスチームアイロンが欲しい。」

 

 

 

欲しいものを持つことは

 

悪いことではありません。

 

 

でも90歳という年齢を考えると、

 

新しい家電の使い方を覚えることも

 

負担になりますし、

 

やけどや火事の心配もあります。

 

 

 

 

そこで私は、

 

「新たな家電の使い方を

 

覚えるの、どう?

 

大変じゃない?

 

家事やケガも心配だしね」

 

 

 

「そういうものを使わずに

 

一度洗い直せば、

 

シワも取れるかもしれないよ。」

 

 

そんな話をしました。

 

 

 

そして、

 

「もし洋服の数を少し減らせたら、

 

全部ハンガーに掛けられるから、

 

シワにもならないよ。」

 

とも伝えました。

 

 

 

すると、母はとても

 

嫌そうな表情をしました。

 

 

そのあと、母は、

 

洋服を減らせない理由として

 

こんな話をしました。

 

 

「デイサービスで、

 

『あの人、また同じ服を着てるね』

 

なんて言う人がいるから。」

 

と言うのです。

 

 

 

私は、

 

「洋服は、

 

その人の人格を決めるものではないよね。」

 

「人が何を言うかより、

 

自分が安心して

 

ラクに暮らせることの方が

 

大切じゃない?」

 

 

「人の目を気にして、

 

毎日の暮らしが窮屈になったり、

 

面倒が増えたりする方が

 

もったいないと思うよ。」

 

そんな話をしました。

 

 

 

 

でも、大好きな洋服を

 

減らしたくない母には、

 

きっと届かなかったと思います。

 

 

 

私は、母が洋服を

 

たくさん持つこと自体は

 

悪いことだとは思っていません。

 

 

好きな洋服に囲まれて暮らすことが、

 

母の楽しみだからです。

 

 

 

ただ、そのことで

 

暮らしに少しずつ無理が生まれている。

 

 

その変化を見ていると、

 

「老い」とは、

 

こういう形でも表れるのだ

 

と感じました。

 

 

 

昔は苦にならなかったことが

 

負担になる。

 

 

今までできていたことが、

 

少しずつできなくなる。

 

 

その変化に合わせて暮らしも

 

変えていく必要があります。

 

 

 

 

でも本人は、

 

その変化になかなか気付きません。

 

 

 

だからこそ、

 

家族が何気ない変化に

 

気付いてあげることが、

 

とても大切なのだと思います。

 

 

 

実は、義父母もそうでした。

 

きれい好きだった義母が、

 

トイレが汚れていても

 

気にならなくなった。

 

 

身だしなみに気を遣っていた義父母が、

 

汚れた洋服を着ていても

 

平気になった。

 

 

 

そんな小さな変化の積み重ねから、

 

「もしかしたら認知症かもしれない」

 

と感じるようになりました。

 

 

 

 

親の老いは、

 

突然やってくるものではありません。

 

 

暮らしの中の小さな変化として、

 

少しずつ現れてきます。

 

 

だからこそ、

 

同年代の皆さんには、

 

ときどき親の暮らしを

 

見に行ってほしいと思います。

 

 

部屋の様子。

 

モノの増え方。

 

洋服の着方。

 

掃除の状態。

 

そうした何気ない変化が、

 

親からの小さなサインかもしれません。

 

 

 

そのサインに

 

早く気付けることが、

 

親が安心して暮らし続けることにも

 

つながるのではないかと、

 

90歳の母を見て

 

改めて感じた一日でした。

 

皆さんのヒントになれば

 

うれしいです。


 

 

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