人間、懲りないとやめることができない。
身に染みて感じさせなければ不倫は終わらない。
だからこそ、決定的な不倫の証拠を掴んで、女に慰謝料を請求して叩くべきだ。
ネット上の情報や、誰かのアドバイスを真に受けて、この思いを手放せずにいる方は少なくありません。
しかし、実際に行使した事案を見てきた立場としての見解です。
「ここまで叩いたから、やっと身に染みただろう。
不倫の慰謝料をとったから、懲りて関係が終わるはず。
そんな風に綺麗に片付くとは限らないのです。」
不倫の慰謝料請求に踏み切ろうとするものの、途中で迷い始めて足踏みをしている相談者様はたくさんいます。
そんな時、私はいつも「なぜ女に慰謝料を請求するのか。その目的は何ですか? その先をどう考えていますか?」と問いかけます。
女をぎゃふんと言わせたい、懲りたら去るだろうという期待で動く方が多いのですが、それをやった結果、さらに夫がへそを曲げて背を向け、もっと酷い状態になったりする副作用を考えていない方が多すぎて驚くことがあります。
そして、その方向に進むリスクを一切説明せず、ただ「慰謝料請求すべきだ!」と行動を煽る、依頼された探偵や、相談した弁護士にも大きな責任があると思っています。
「『慰謝料を取れば不倫は終わる』と弁護士に言われたら信じちゃいますよね」が本音の妻
実際、専門家の言葉を鵜呑みにして行動を起こした結果、夫婦関係が致命的な状態に陥ってしまった、とある40代の妻の事例です。
妻は夫の不倫の証拠を掴み、弁護士を入れて不倫相手の女に慰謝料を請求しました。
その行動を起こせば、女は懲りて、さすがに夫との関係を解消するはずだと信じて疑わなかったのです。
しかし、現実の不倫女は違いました。
女は不貞行為を否認するどころか、あっさりと慰謝料を支払ってきたのです。
結果、どうなったか。
女から慰藉料はとれたものの、自宅では夫はもの凄い勢いでキレ散らかし、連日炎上が続きました。
そしてとうとう、夫は荷物をまとめて家を出て行ってしまったのです。
妻が私のところに相談されたのは、慰謝料が支払われた後で、夫婦関係が少しも良くならないどころか、別居した後の水面下の疑惑に怯えているタイミングでした。
妻はこう言いました。
「だって、慰謝料をとれば終わると言われたし、私もそう思っていた。弁護士の先生がそう言うのですから……」と。
人生で初めて直面する不倫という大問題において、妻が解決のノウハウを知らないのは当然のことです。
しかし、その無知に付け込むかのような専門家たちの対応には、本当に怒りを覚えます。
もし、探偵や弁護士が「慰謝料を請求すれば不倫が終わる」と本気で信じて妻に勧めているとしたら、彼らの現場の無知を嘆くしかありません。
慰謝料を請求する前に、夫婦間でやるべきことがあったのです。
そこまで時間を戻して正しい手順を踏めていたら、今の別居という状況は回避できていた確率は高いでしょう。
今迷っている、不安になっている方もいるでしょうが、懲りさせる、身に染みさせる、不利益を与えるために叩くことが不倫を終わらせる方法だと思う勘違い。
その筆頭例の一つが、この「不倫相手への慰謝料請求」です。
その方法が通用する内容であればそれで良いですが、すべてのケースで通用するとは限らないのに、どんな不倫であっても一括りにして「とりあえず女に請求しましょう」と煽る専門家の方向性は大きな疑問です。
不倫の慰謝料は「妻が被った苦痛の代償」であり、不倫解決の決定打にはならない
私は、不倫の慰謝料請求という行為自体を否定しているのではありません。
裏切られた妻として行使すべき当然の権利です。
しかし、それはあくまで「妻が被った精神的苦痛の代償として、お金(金銭)をとるもの」であって、不倫を終了させるための解決方法(手段)ではありません。
不倫を終わらせるためにするものだと期待するから、不倫が終わらなくなってしまうのです。
妻から慰謝料請求された瞬間、夫と女の脳内では「不倫の罪悪感」が消え失せ、代わりに「僕たちを引き裂こうとする、妻の攻撃」という、新たな悲劇のロジックが完成してしまうことにもなります。
不倫の慰謝料は、二人の関係を終わらせる決定打にはなりにくいという事実を、ハラに落としてください。
エネルギーを目の前の不倫夫との関係(対話)に注いでください
結論です。
夫婦がもめている最中の不倫相手への慰藉料請求はNGです。
不倫の慰藉料請求は「後で」が多くの場合正解です。
夫との話し合いが十分できた後です。
エネルギーをまずはそこに注ぐことです。
後で、堂々と事務的に精神的苦痛を被った代償として行動をとればいいのです。
「夫に拒絶される恐怖」から目を背けていませんか?
本当に向き合うべきなのは『夫』なのに、夫への不安と恐怖を直視できないための自己防衛のため、先に女への慰藉料請求するのなら、問題だと思っています。
法律(慰藉料請求)を盾にするのをやめ、夫と「一対一の感情の勝負」をする意識です。
弁護士が作った「理想的な台本」を捨て、「夫が家庭に抱いていた退屈や窒息感、外に求めた欲求の正体」を、痛みと共に暴き出し、夫の胸ぐら(心理)を掴むくらいの勢いで、真の対話をすべきなのです。

