大好きなのに、ノスタルジックな気持ちになりすぎて食べられなくなったお菓子の話。

 

 

 

 

 

私が子どもの頃。

 

毎年、お盆とお正月はフェリーに乗って祖母の家に遊びに行くのが我が家の恒例イベントでした。

 

 

 

 

 

船内には小さな売店があって…

 

 

 

 

 


主なラインナップはタバコ、おつまみ、和菓子類…

 

子ども心をくすぐるような商品はほとんどなかったけれど、唯一置いてあったのが…

 

 

 

 

 

 

 

いつも行くスーパーで売られている値段の倍以上する「パックンチョ」


 普段そんなに食べないのに、売店の片隅で凛と佇む「パックンチョ」はなんとも魅惑的で…


「でも高いからいいや…」と遠慮する私に父は「船で食べるといつもより美味しく感じるから、こういうのは高くてもしかたないんや」と言って私と弟に1箱ずつ買ってくれました。

 

 それが子ども心にすごく嬉しくて…

 


 夏と冬の年に2回、フェリーに乗るたびに一箱の「パックンチョ」

 


海の匂い。


波の音。


使い古してクタクタになった父の黒い革の小銭入れ。

 

弟と客室の椅子に座って食べたパックンチョのサクサク食感。

 

「また子ども達にいい顔して」と呆れる母の顔…

 

 

 

 

 

 

 

30年以上経った今でも覚えてる。

 

 

 

 




 【 〜つい先日開催された恒例の女子会〜 


父さん、毎年ぼったくりのパックンチョ買ってくれてありがとう。あたし一生忘れないから。

 

 

 

…っていう「父の思い出」からの…

 

 

 

 

 

「船酔い」

 

 

 

 

パックンチョ。

 

箱を見るだけで思い出(おもに船の揺れとベッタベタな潮風)があふれ出して食べられない。

 

誰ですか。2箱も買ってきたのは。

 

 

 

 

※ 父、生きてます