宮古島フォトウエディング

 

カメラマンの仕事は写真を撮ることです。

当たり前ですね。

 

でも、僕が仕事に費やしている時間のうち、

実際にシャッターを切っている時間は1割にも満たないと思います。

 

では、残りの9割以上は何をしているのでしょうか。

もちろん遊んでいるわけではありません。

いや、遊ぶ時間も欲しいですけれど。

 

 撮影前の仕事

 

まず、お問い合わせへの対応から始まります。

撮影内容の確認、お見積もり、撮影日程の調整、撮影場所の下調べ、撮影許可の確認。

遠方であれば交通機関や宿泊施設の手配も必要です。

 

お客様のご希望を伺い、それが実現可能なのかを確認することも大切な仕事です。

例えば、移動に何時間もかかる撮影場所をいくつも指定されて、

撮影時間は1時間でお願いしますと言われても、物理的に不可能です。

 

カメラマンは瞬間を切り取る仕事ですが、瞬間移動はできません。

そして屋外撮影の場合、さらに厄介なのが天候です。

何日も前から天気予報を確認します。

 

台風が近づいていれば、気象庁だけでなく海外の気象予報モデルなども確認します。

考えるのは撮影当日の天気だけではありません。

現地まで安全に移動できるのか。

予定どおり撮影できるのか。

撮影機材を安全に運べるのか。

撮影が終わったあと、無事に帰ってこられるのか。

そのすべてを確認して、ようやく撮影の実施を判断します。

 

お客様からすれば「雨が降らなければ大丈夫」なのかもしれません。

 

でも、僕にとってはそう単純な話ではありません。

雨が降っていなくても、

暴風の中で高価な機材を持ち歩くことはできませんし、

交通機関が止まってしまえば現地に到着することすらできません。

 

「多少遅れてもいいので来てください」

 

と言われても、交通機関が止まっているものはどうにもなりません。

気合いで新幹線を動かすこともできませんから。

 

 撮影が終わっても仕事は終わらない

 

そして撮影当日。

何時間もかけて現地へ移動し、ようやく撮影開始。

撮影が終われば、あとは帰って寝るだけ。

だったらどれほど楽でしょう。

 

帰宅後は撮影データのバックアップ、写真の選別、画像処理、データ管理。

アルバムをご注文いただいていれば、

写真の構成やデザイン、制作会社とのやり取り、仕上がりの確認などもあります。

お客様に写真をお届けするまで、仕事は続きます。

撮影時間が1時間だからといって、仕事も1時間で終わるわけではありません。

むしろ撮影前後に費やす時間の方が、はるかに長いのです。

 

 一番時間を奪われるのは何か

 

そして、この9割以上を占める仕事の中で、

なかなか厄介なのがお客様とのやり取りです。

もちろん、大多数のお客様とは気持ちよく仕事をさせていただいています。

ただ、ごく一部には、何度ご説明しても同じことを聞いてきたり、

契約にないサービスを当然のように要求したりする方がいます。

 

「せっかくなので、これもお願いします」

その「せっかく」は、誰の負担で成立するのでしょうか。

 

「少しぐらいいいじゃないですか」

その少しが10回続けば、もう少しではありません。

 

「前にも説明していただきましたが、納得できないので、もう一度説明してください」

 

説明すること自体は構いません。

分からないことがあれば、何でも聞いていただきたいと思います。

しかし、説明した内容が気に入らないからといって、

何度も説明させれば条件が変わるわけではありません。

説明は交渉の無制限延長券ではありません。

 

ましてや、撮影機材や安全に関わる判断まで、

お客様の希望に合わせて変更することはできません。

 

「雨でも建物の外観を撮ってほしい」

 

お気持ちは分かります。

でも、雨で撮影機材が故障したり、

撮影データが失われたりしたら、誰が責任を取るのでしょうか。

お客様の希望をかなえるために、

カメラマンがすべてのリスクを背負う必要はないと思っています。

 

 善意にも限度があります

 

僕は、お客様のご希望をできる限りかなえたいと思っています。

だからこそ、撮影以外の準備にも時間をかけます。

ご事情によっては、本来のサービス以上のことをする場合もあります。

でも、善意は義務ではありません。

 

一度サービスしたことが、次回から当然の権利になるわけでもありません。

撮影を無料でプレゼントする企画も行っています。

でも、無料なのは、あらかじめ決めた範囲の撮影です。

僕の時間も労力も人生も、無制限にプレゼントしているわけではありません。

 

無料だから何を頼んでもいい。

有料だから何を要求してもいい。

どちらも違うと思います。

 

仕事として提供できることと、できないこと。

料金をいただくことと、サービスとして提供すること。

その線引きをするのは、お客様に意地悪をするためではありません。

きちんと仕事を続けるためです。

 

 僕の時間も有限です

 

僕は20年以上、カメラマンとして仕事をしてきました。

その間、本当にたくさんの方と出会い、素敵な時間を過ごしてきました。

だから、これからも写真を撮り続けたいと思っています。

でも、人生の残り時間は無限ではありません。

同じ説明を何度も繰り返すことに1時間使うなら、

写真をより良く仕上げるために1時間使いたい。

 

撮影の準備に使いたい。

家族や友人と過ごしたい。

あるいは、仕事を離れて好きなゲームでもしていたい。

僕の人生ですから。

 

お客様のために一生懸命仕事をすることと、

お客様に自分の時間を無制限に差し出すことは違います。

写真を撮っている時間だけが、カメラマンの仕事ではありません。

むしろ、お客様から見えないところにこそ、膨大な時間と労力がかかっています。

その時間にも、ちゃんと価値があります。

そして、仕事をしていない時間にも価値があります。

 

撮影料金を払ったからといって、カメラマンの人生まで買ったわけではありません。

 

 

 

 

 

 

 

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