怖い話は苦手という方は
華麗にスルーして下さいませ
ある雨の日
夏休み中の部活帰りのことです
学期の最後に持ち帰らなかった
美術工作を両手に
おまけに雨まで降り出した夕暮れ時
その女子高生は
近道をしようと普段は通らない
暗く人気のない細道を曲がりました
大きな美術の作品と
部活カバンを持ち傘をさし
水浸しの道を歩くだけで精いっぱい
とにかく早く家に辿り着きたい
と思いながらひたすら足元を見つめ
歩いています
すると
後ろから足音が聞こえてきました
バシャバシャ
バシャバシャ コツコツ
女の人だわ
ヒールの音が聞き取れました
そう思った瞬間
目の端に
細い足首と古びた靴が見えました
足音からは想像もつかないほど
その人は急に距離をつめていました
その人の
妙にぶかぶかのパンプスは
靴の中にまで雨水が入り込み
歩くたび
ぶしゅ ぶしゅ
と気味の悪い音をたてています
この時間にこの道を通る女性が
他にもいるなんて・・・
不可解に思ったその時
女の人がすっとこちらへ寄ってきた
気配がしました
え!
傘の柄を顎と首で支えているので
少女にはずっとその人の下半身しか
見えません
そして
傘の端から見えた棒のような脚が
少しだけ屈んだと思ったとたん
わっ!
傘の下からにゅっと真っ白な顔が
覗き込んで言ったのです
ねぇ
あなたの靴と取りかえてくれない
た、たすけてぇ・・・
恐怖で喉が押しつぶされ
声も出ません
なぜなら
傘の下から少女を見上げた
その顔の真ん中には
ただみっちりと
深淵のような深い水が
溜まっているだけだったのです
ーおわりー






















